絶対的愛情
長い長い夜が明けていく。
涙も渇れて、ただただ無気力のままカーテンの隙間から差し込む光を見ていた。
結局、一睡もしていない。
目が覚めた時の絶望感が嫌だから。
でも、心に残る重たい痛みは変わらない。
「美優、どうしたの?顔ヤバイよ」
「うん…ちょっと、ね」
みなみが心配そうに私の顔を覗くけれど。
婚約したばかりのみなみに、失恋話をするのはあまりに惨めすぎて。
濁したまま、うすく笑った。
本当、情けない。
朝、鏡を見てさすがに凹んだ。
こんな顔、誰にも見せたくない…
社内でも、噂の商品と小嶋 彩美の話題でいっぱいだった。
「あ、テレビ見た?小嶋 彩美、日本に来たみたいだね」
みなみが思い出したように、休憩室のテレビの電源を入れる。
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