絶対的愛情
「だから、もう一度…頑張ってみてもいいかな?相手にされていないことは分かってる…でも、俊介への愛情は誰にも負けない。絶対的愛情!」
「絶対的、愛情ですか…」
それでもダメだったら、諦めよう…。
なんだか、スッキリした。胸の奥で渦巻いていたモヤモヤがなくなって。
「じゃあ、帰るね。本当、ありがとう…」
ポカンとしている俊介を横目に立ち上がった瞬間…
「瀬戸さん?!」
世界が廻って、気が付いたら俊介の腕の中にいた。
「あ…れ?」
私、めちゃくちゃカッコ悪い…。こんな状態なのに、心なしかぼんやりする。
「ちょっと、失礼しますよ」
「ひゃっ」
急におでこに手を当てられて、初めてはっとした。
熱があるのかも…
「やっぱり…熱があるじゃないですか!」
「だっ、大丈夫。とりあえず帰らなきゃ…」
これ以上、俊介に迷惑はかけられない。
無理矢理起き上がろうとするけれど、俊介におでこを押さえられているせいで叶わなかった。
「送っていきます…雪も積もってきてますし。イエスと言うまで起き上がれませんよ」
「う…」
俊介の大きな手は、冷たくて気持ち良い。
ずっとこのまま当てていれば、熱も冷めてしまいそう…なんて考えているうちに、思考がふわふわとしてきた。
「い…イエス!お願いします…」
「はい。では、車用意してきますから…少し待っていてください」
そう言って、起こしてくれた俊介は優しく微笑んで。
ぼんやりながらも、私の胸はドキドキしてしまった。
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