絶対的愛情
「冗談です。そんな悲しい顔しないでください。研究をするようになってから、菌に関して敏感になっただけですよ」
「もう…ひどい!」
そう言いながらも笑顔になってしまうのは、俊介が笑ってくれたから。
彼がこんな風に笑うって事さえ、久しぶり過ぎて忘れていた。
「シャーレに培養した菌ばかり見ていたらこうなるのも無理ないです」
俊介をもっと知りたい。もっと好きになりたい。
順調…て思ってもいいよね。
目が合って、ふわりと笑う彼。
今彼の瞳に映っているのは、私だ。
彩美さんや、研究ではなく。
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