絶対的愛情



27歳にもなって、何してるんだかって思う。
でも止められない。この人の事、何一つ知らないのに私の頭は彼でいっぱいなんだ。


ゆっくり彼が振り返る。


「…面白い事を言いますね」


「本気ですから!」


「一目惚れって事は、僕の遺伝子を求めているということですね」


目が点になる。

少し変わった人だとは思ったけれど。


「あの、そういう意味じゃなくて…」


「では僕の何を好きになったのです?」


うっ。痛いところをついてくる。

柔らかく微笑む彼は、やっぱり天使なんかじゃなかった。



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