絶対的愛情
どんなに酔ったって、心のこの場所にある想いは消えない。
一瞬でも忘れることさえ、許してくれない。
「もう止めときなって。ほら、お水飲んで」
頭がガンガン痛くなってもグラスに手を伸ばす。みなみにすごく迷惑をかけてしまっているのにどうしようもない。
「あたし、美優の一途で真っ直ぐな所好きだよ。一生懸命、好きな人を好きで一喜一憂する美優のこと」
「みなみぃ…あたし、」
急に気持ち悪くなって、席を立つけれど。思うように身体が動かず、みなみに肩を支えられる。
「ほら…しっかり」
あたし、この先誰かを好きになったり誰かに愛されたりするのかな?
そう疑っている時点で、誰も好きになんてなれないのに。
毎日が、満たされないの。
欠けているこの部分は、彼じゃなきゃダメなんだって…
どうして、こんなに想ってしまうんだろう。
涙と一緒に、この想いも全部流れて消えてしまえばいいのに。
いっそのこと、嫌いになれたらいいのに。
「みーゆう?大丈夫?」
トイレの外でみなみが私を呼ぶ。真っ赤になった瞳からは次々に涙が溢れ出してきて。
「うん、すぐ戻る」
目の下が真っ黒で、最悪の顔を水で洗い流した。きっと、時間が経てば苦しみも消えると信じて…。
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