絶対的愛情



「もう、会えないかと思った」


「大丈夫です。ドイツには行かない。気付くのが遅すぎましたが…」


一日遅かったら…そう思うと安堵で力が抜けていく。


「良かった…」


「瀬戸さん、僕の家に来ませんか?あ、その変な意味ではなくて…ここじゃ、あれなんで」


瀬戸さんはケラケラと笑った。何がおかしいのか…


「はい。お邪魔します」


「その前に、笑った理由を教えてください。じゃないと、立ち上がれませんよ」



瀬戸さんより先に立ち上がり、彼女のおでこに指を当てた。


「ムッツリだなって思っただけ、ふふ」


「だから、変な意味はないと言ったじゃないですか。荷造りの片付けを手伝ってください」


「何それ」



全く、この人は…



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