絶対的愛情
そのまま抱きついてきた瀬戸さんの肩をそっと包む。
人を愛する気持ちは、こんなにも僕を温めてくれると知った。
「………何ですか?」
「え、何ですかって…ほら、こうなったら…」
彼女は何かを待っているようだった。
勿論、それは…
「キスは歯磨きの後で…」
笑顔で誤魔化してみる。
「さいってい!!」
大丈夫です。
あなたへの絶対的愛情はまだまだこれから…
「さ、荷物の整理を手伝ってください。二人でワクワクする共同作業は、ドーパミンが分泌されて恋愛が長続きするんですよ」
「…何それ。もう、しょうがないなぁ…てか、そもそもワクワクしないし」
そう言う彼女に、不意打ちのキスをした。
「………っ」
絶対的愛情。
END.