昨日、学校一の不良に壁ドンされちゃいました!


9月3日。
地獄の体育祭練習が始まって、早三日目。
この日も、いつもと変わらない一日だった、・・・はず。
ただ、一つ変わったことを挙げるとするならば、足を捻挫したことくらい。

「優乃(ゆうの)!ほらぁ、元気出しなって」

そう、親友の柊(しゅう)に言われるけど、元気なんて出ない。
この足で、出るわけがない。

体育祭の練習で、足をグキッとやっちゃったあたし。
捻挫なんて久しぶりだし、そりゃあまあ、ものすごく痛くて。

「柊……あたし、もう死んじゃう」
「いや、そんなんじゃ死なんわ。あたしなんて一週間に一回は捻挫してるよ」

柊はそう笑い飛ばした。
でも、毎週日曜日に子供たちとサッカーをしている柊でも、一週間に一回捻挫とかしないでしょうがと、心の中でツッコむ。

中学からの親友の柊いわく、あたしは天然らしい。
バカらしい。
そんなあたしでも、それくらいは気づくよ、普通に。


「おい!萩野!宿題がもう三日も出てないんだが、どういうことだ?」

突然、そう言いながら担任があたし達に近づいてきた。

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