昨日、学校一の不良に壁ドンされちゃいました!



・・・ああ、もう!

何考えてるんだ、あたし!


あたしは一歩、足を出した。


「なあ」


・・・と、すぐに前に誰かに立たれて動けなくなった。

あたしの視線の先には、青色のネクタイ・・・らしきもの。
着崩されてるから、よく分からない。


けれど、声の主くらいは分かる。
前に立っている人くらいは分かる。

きっと・・・今あたしを悩ませている人だ。


あたしは顔を上げた。

そこには、さっきまであたしの前を歩いていた、彼が立ってた。


「はい・・・」


「足、大丈夫だったのかよ?急に走り出して・・・」

ぶっきらぼうなその言い方でその言葉は、反則だと思う。
あたしの胸、またドキドキ言ってるんだけど・・・。


「うん、大丈夫・・・ありがとう。」

「あ、いや。・・・なあ」


きっと、みんなからすごい注目されてるんだろうな・・・。

でもあたしには、そんなこと気にする余裕なんてなくて。


二人の間には、気まずい空気が流れている。


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