昨日、学校一の不良に壁ドンされちゃいました!
「え、柊。宿題出してなかったの?」
あたしは柊の顔を見やる。
まあ、柊ならあり得ることなんだけど。
「ううん、違うよ!」
柊は慌てて否定した。
その顔は嘘を吐いている顔ではなかったけれど、担任が宿題が出ていないというんだから、出ているわけがない。
意味が分からないという表情を浮かべながら柊を見つめると、柊は、
「してないんだよ!元々」
と言って笑った。
「おい!自慢げにピースしないで宿題しろや!」
先生は、そう言って柊の頭を叩く。
「いったぁー!サイッテー!」
と、柊は怒るけど、あたしは呆れていた。
してないんじゃもっと悪いでしょ。
「ほら!今すぐしろ!行くぞー」
先生はそう言うと、柊を引っ張って行く。
「えぇーー!ちょ、助けて、優乃!」
柊はあたしにそう言って、手を伸ばした。
だけどあたしは、
「いってらー」
と言いながら、柊を見送った。