昨日、学校一の不良に壁ドンされちゃいました!
彼は、走り続ける。
あたしは、引っ張られ続ける。
そして、彼がやっと止まったのは・・・。
「どこ、ここ・・・」
朝なのに、暗い場所。
周りには、いかつい男の人や、肌を露出し過ぎな女の人。
ここがどこかとか、どんなとこかとか、行ったことあるかとか分からないけど、これだけは分かる。
・・・あたしには、苦手な所だ。
そして、最も遠い世界だ。
「はあっ・・・ここまで来たら、こっちのもんだな」
彼はそう言いながら、あたしの手首を離した。
「あ、あのー・・・」
「ああ?・・・あ、わりぃ」
彼はあたしを見ると、困ったような顔をした。
「つい、掴んじゃった」
「いや、ついじゃないよ!」
あたしが大声を上げると、彼は驚いたような顔をしてすぐにあたしの口を右手で押さえて、抱きしめた。
「んっ!?」
背中が、温かい。
ちょ、いや、は?