昨日、学校一の不良に壁ドンされちゃいました!



彼の言葉で、あたしの思考はストップ。


・・・来た?

なにが?

や、ヤクザが?


あたしは、彼を盾にしながら彼が見ている方をちらっと覗く。

「なんかここらで声が聞こえたけど・・・」

「いましたよ、なんか男と女が」

「俺らの場所で大声出しやがって・・・」

「どうしますか、頭」

「せっかく気持ちよく寝てたのに起こしやがったからなあ」

「じゃあ・・・」

「・・・よし、お前らっ!探せ!」

・・・なんていう、いかつい顔した男の人同士の会話が聞こえた。


ど、どどどどうしよう!


焦るあたしと、黙ってじっとそちらを見つめる彼。

そして、そんなあたし達の耳に入った言葉。

「路地裏も探してみます!」


・・・今、なんて言った?

あたしの頭は一瞬にして混乱状態。


「ねえ、や、ヤバくない・・・?」

「そうだな。・・・ごめん、ちょっと我慢しろよ」

彼はそう言うと、あたしを見た。


・・・なにするんだろう?

と、思ったら。


「トンッ」


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