昨日、学校一の不良に壁ドンされちゃいました!
「・・・行くぞ」
「あ、うん」
彼はあたしの少し前を歩いて行く。
その後ろ姿に、キュンとしたり。
あたしは、何となく周りを見渡した。
みんな、彼を見ている。
チラチラ見てる人もいれば、ガン見してる人もいる。
人それぞれだけど、確実に彼を見ている。
そんなみんなの目も、それぞれで。
カッコいいという目や、尊敬の目。
すごいという目もある。
逆に、引いてる目や、敵意丸出しの目。
前のあたしのように、苦手だと感じていそうな目もあった。
ん?
苦手なのは、今も変わらないか。
・・・だけど、みんな共通して、彼を見ていた。
彼は、そんなこと気にもしないように、廊下の真ん中を進んでいく。
そんな彼について行ってるあたしも、やっぱり目立っているみたい。
「あれ、高野くんの新しい彼女?」
「えー、地味じゃない?」
「もっとギャルみたいな人だと思ってたー」
なんていう会話が、さっきから聞こえてきてる。