昨日、学校一の不良に壁ドンされちゃいました!




彼に、辛い思いをしてほしくない。
これ以上寂しい思いをしてほしくない。

あたしが、彼の居場所を作りたい。


そう思った。



彼は一瞬驚いたような顔をするけど、

あたしに、いつもみたいにバカにするように、寂しそうに、だけど少し嬉しそうに微笑んだ。


「っ!」

あたしは俯く。


うわあ、それ、反則だ・・・。

胸が大きな音を立てて高鳴る。


あたしに、見せてくれた。

優しい、笑顔を。




「・・・ま、頑張れよ」


「う、うん。が、頑張ります・・・」

あたしが俯きながらそう言うと、彼は、あたしの頭を撫でた。


「ありがとな・・・」

きっと、あたしに聞こえないように言ったんだろうけど、はっきりと聞こえた、その言葉。


『ありがとな』

その声は、震えていた。
だけど、温かかった。


あたしは嬉しくて、撫でられた頭を触りながら小さく微笑んだ。


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