昨日、学校一の不良に壁ドンされちゃいました!



ちょっとショック・・・。



落ち込んで俯いていると、

「ははっ」

という笑い声が聞こえた。


「なによ?」

顔を上げて、彼を怒りながら見る。

彼は笑っていた。


ああもう、その顔、レッドカード!!

ドキドキするじゃんか!


怒る気なんて、その笑顔を見たらすーっと消えていってしまう。

何なのかな、彼の笑顔にはそういう人をドキドキさせる作用があるのかな?
不思議な人だな。


「落ち込み過ぎだろ。猫なんだから、気まぐれなんだよ」

「だって・・・」


あたしはそっぽを向いた。

恥ずかしかったから、彼の顔を見ないようにしたかった。


「ったく・・・」

だけどその行動をミーコがいなくなって落ち込んでいると勘違いしたのか、彼はあたしの頭にポンッと手を乗せた。



ーードキッ

また、胸が音を鳴らす。


やっぱり、この人ずるいや。

ドキドキさせる天才だよ。


< 59 / 93 >

この作品をシェア

pagetop