昨日、学校一の不良に壁ドンされちゃいました!



「・・・てかさ。お前、俺の名前呼んでないよな?」

彼は、思い出したようにそう言う。


うん、呼んでない。

心の中でも、呼んでないよ。



「うん、そうだけど・・・?」

「俺の女なのに、名前も呼ばないとか、あり得ない」


彼はそう言うと、あたしの顔を両手で持って無理やり上げた。
あたしの目に、彼の意地悪な笑顔が入ってくる。



む、無理無理!

これもレッドカードです!!


彼の顔とあたしの顔の距離、10㎝くらい。

こんなの、殺す気か!



「あれ?なに赤くなってんの?」

彼は、そんなあたしのドキドキを知ってか知らずか、いや、100%知っているから、また意地悪に余裕そうに笑った。


「う、うるさい!」

「命令な。これからは俺のこと、凌我って呼べよ」

命令って・・・な、何様!?


「絶対いや!」

「お前に拒否権はねぇよ」


あるわ!

ってか、作って!


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