昨日、学校一の不良に壁ドンされちゃいました!



「・・・ガキ」

「あ゛?同い年だけど」

なんとなく出た言葉がそれだったから、あたしはそれを言ってやった。


「ってか、お前の方がガキみたい。・・・背がな」

「なっ!?」


彼は、超笑顔。

その笑顔は嬉しくない!


「小さくて悪かったですね!元々ですー!」

あたしはそう言って、下をベーッと出した。


「いや、すっぽりハマるからいいんじゃね?」

「は?何に・・・っ」

彼はそう言うと、あたしの腕を掴んで自分の方に引っ張った。


「え?ちょちょちょ!」

あたしは、彼の腕の中にすっぽり。


「なっ?」

彼は平然とそう言うけど、あたしはドキドキがすごくて冷静さなんてとても保てなかった。



なっ?ってなに!?

抱きしめやすいってこと!?


い、いや、ちょい待って。




「・・・ま、そういうことで。俺のことは、凌我って呼べよ」


そういうことってどういうこと?

そう聞きたかったけど、とりあえず離してほしかったから、

「わ、分かった」

と、言っておいた。


「じゃ、練習。ほら、呼んでみろよ」

けれど彼は、あたしを離さない。


「は!?いや、その前に離して・・・?」

「俺の名前呼ぶまで、無理」

「そんな・・・!」


呼ぶ気ないんだけどな・・・。

てか、恥ずかしくて無理だし・・・!



「・・・・・・」

「おーい」

「・・・・・・」


あたしは黙る。

言ってやんない。


いや、言った方がいいかもしれないけど。

無理だもん、そんなの。


すると彼は、あたしの耳元で囁くように、


「優乃」

と、言った。


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