昨日、学校一の不良に壁ドンされちゃいました!
ーードクンッ
あたしの心臓は、今日一のとても大きな音を立てた。
「・・・りょ、りょう、が・・」
あたしには、‘言う’という選択肢しか与えられてなかったみたいだ。
小声だけど確かにそう言うと、彼の腕の力が弱まった。
あたしは彼から離れる。
彼をチラッと見ると、とても満足そうな顔をしていた。
ああ、もう。
あたし、この人嫌いだ。
だって、いつもあたしの心を掻き乱すんだもん。
あたしは俯いた。
「よくできました」
彼はそう言って、あたしの頭を撫でる。
子ども扱いしないでよ。
そう、睨んでやりたいのに。
あたし、それすら嬉しいって思ってる。
決して恐いんじゃない。
なんなの?この気持ち。
分かんない。
この人も。
・・・この人といる時の自分も。