昨日、学校一の不良に壁ドンされちゃいました!


長いような短いような、いや、確実に短い命だった。


まだまだしたいことはあるし、本当は今日のおやつのショートケーキも食べたい。
後悔は沢山あるし、ダイエットなんて言わずに、昨日チョコレートを食べれば良かったと思う。

お母さん、お父さん。
あたしは、二人の子供として産まれてこられて幸せでした。
お母さんのご飯は本当に美味しかったです。
晩ごはんは肉じゃがが良かったです。

あたしは本当に幸せ者で・・・

「無視すんなって」

ああ、怖い。
本当は、死にたくなんてない。
でも、これが運命なんだよね・・・

「優乃!」

そう名前が呼ばれて顔をぐっと上に向けられ、あたしは死を覚悟してぎゅっと目を瞑った。


「・・・ごめん、ちょっと言い方きつかったな」

「・・・・え?」

あたしは驚いて目を開ける。
そこに映った凌我の顔はやっぱ無愛想で怖くて、でも何か申し訳なさそうにも見えた。


「お前、俺のこと怖がってるだろ。俺に殺されるって考えるくらい怖がってるだろ」

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