猫の世界と私
高校二年、冬。
寒さも本格的になり始めた12月、期末テストを終え、後は終業式を待つだけとなった。
科目も多く、今回のテストは正直に言ってキツかったとしか言えない。
瑛祐も今回は睡眠時間を削ってテストに挑み、テストが終わった今、一気に眠気に襲われていた。



「眠い…」



その一言を呟いてしまえば、体全体が眠気に襲われる気がしたが、もう気を張る必要もない。瑛祐は、その言葉だけを呟きながら歩いていた。



「同じく、眠い」



その隣を、同じように寝不足の結愛が歩いている。



「今回のテストはキツかったな…」

「うん…でも、ほら今日で終わったし、今日はもう帰ってゆっくり寝よう」

「そうするか」

「んで、体力満タンにして、また休みになったら色んな所に遊びに行こうよ!」

「だな」



その言葉を励みに、瑛祐は家路を歩く。
疲れすぎて足元に力の入らない今では、どこかに行こうにもすぐに体力が無くなってしまう。

今は家に帰るまでの力で精一杯だ。
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