猫の世界と私
この世界の時間は止まっていた。
今、この教室から見える夕日もそのまま、茜色が強く、未来には結愛の行っている意味が分からなかった。

首を傾げている未来に、結愛は手で促す。

その手に従い、未来は結愛の隣に並び、外の景色を眺めた。


茜色に染まっていたはずの空の端に紫色が見える。
そして、その紫色の空に瞬く数個の星。夕日に負けないようにと存在感を出し、懸命に輝いている。
この空の一番の存在感を表していた夕日は、ユラユラと光を照らし、西へ沈もうとしていた。



「え…どういうこと…」



この世界の時間が動き出した。
未来は、今目に見えているものが幻のように思えていた。

その隣で結愛は、静かに沈む夕日を見つめている。
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