猫の世界と私
「この猫は…事故の原因となった猫でしょ?やっぱり…事故で…?」

「そうみたい。でも、それだけじゃないと思う」

「?」

「この猫を通して、瑛祐は記憶を見ているのよ」

「え…猫を通して…?」

「思い出を導いて、欠落していく記憶に寂しくて鳴いてしまう。彼らの行動は、この為に行われてたの」

「………」

「さぁ、未来、早く戻って。私は猫と共にこの世界に残る。記憶は無くなっても思い出は消えない。この猫が導いてくれるから」

「結愛…」

「……未来…幸せに…」



結愛の言葉を最後に、未来は目を閉じた。
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