猫の世界と私
「瑛祐君…もう一度…」

「ん?」

「もう一度笑ってよ」



瑛祐は、もう一度不器用ながらも柔らかな笑顔を未来に向けた。
未来もまた、優しげな笑みで返し、瑛祐に顔を近付けた。



「未来…?」

「キスしちゃおうかな、って近づけたけど…急に恥ずかしくなった…」

「……ははは…」

「え、笑うとこ!?凄く恥ずかしい…」

「未来らしい」

「っ!!」



笑顔と共に交わされた唇。
突然のことに驚いた未来は、声を詰まらせるが、掛かる吐息に身を任せ、目を閉じた。

二人の姿は太陽の光に照らされ、病室には一つになった影が写される。


この瞬間から、瑛祐と未来は、お互いの気持ちを通じ合わせて恋人同士となり、一緒の時間を過ごし始めた。
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