猫の世界と私
「着いた。ほら、行こうよ!早く行かなきゃアトラクション周りきれないよ!」

「え…!?まさか、全部乗るつもり…?」

「そのつもりで行かなきゃ乗れないでしょ!」

「……え…」

「ほら!」

「はいはい…」



勢いに押され、足取りが重くなった瑛祐の腕を掴み、未来は歩き出す。
もたつく瑛祐を何とか遊園地へ入園させると、未来は気になるアトラクションに片っ端から、瑛祐と共に乗っていった。


そして最後のアトラクションの前にたどり着く。

そのアトラクションの前に着いた時には、夕方を迎え、天気も悪くなかった為夕日が綺麗に世界を染めている。

けれど、ここは現実の世界。

後一時間もすれば夜が来る。


一般的に言えば、景色が綺麗に見れる絶好の時間帯。
瑛祐は遠くを見るように、一つのゴンドラを見つめる。

ゆっくりと回るその姿は、まるで、動き出した瑛祐の時間と似ていた。
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