猫の世界と私
「え…えっ!!」



そこにいるものが猫だったなら驚くこともない。
目の前にいるのは、猫でもない、結愛と同じ人間。

少し緩いパーマがあるセミロングの女の子。二重に、ぷっくりとした唇。フワリとした雰囲気を持っていて、モデルになれそうなくらい可愛いと思える、結愛と同じ年くらいの女の子が目の前の椅子に座っていた。

突然合う視線。

その女の子も結愛と視線が合うと、目を泳がせ、別の方向へ視線を移していた。



「誰?」



女の子は俯く。
結愛は質問の答えを待っていたが、あまりにも長い間に再び口を開いた。



「私は、結愛。あなたは?」

「未来…」



自分の名前を口にした途端、未来は顔を上げた。
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