°°ワガママの果て°°
頭を抱える悟くんの背中を
ただじっと見つめている。




言葉のない静かな空間…
大きな雲の隙間から一瞬月の光が2人を照らした。




その時…












「会いたかったよ!!」



投げ飛ばすような、
調整のきかなくなった大きな声が公園に響いた。




言葉を発すると同時に振り向いた悟くんの瞳が潤んでいることに…今気づいた。





今更
やっとやっとやっと
やっと気が付いた。
その想いの強さ。






目を逸らすように
すぐ元の体制に戻った悟くんの背中に抱きついた。






「やめろよ…まじで…なんなんだよ
お前は………」



苛立つかのように…
静かに語りだした悟くんの言葉に胸が締め付けられていく。


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