°°ワガママの果て°°
「計算してんの?」


再び同じ問いかけに
やっと口を開くわたし。




「計算なんてしてないよ…
なんで?…怒ってるの?」



悟くんはやっと自分の考えていた事。
決意をわたしに話し始めた。






「……………俺さ、XX県に行く…
知り合いがいるからそこで働く」





……思わぬ告白に
一瞬で溢れ出した大量の涙は頬を伝って太ももまで次々と流れ落ちた。




「やだぁぁ!!やだやだやだやだ絶対にやだ……なんで?……なんでなんでぇぇ…や…やだぁ…」



泣き叫ぶわたしを見て、また頭を抱える悟くん。



「ねぇ…なんで?やだよぉ……」




「ここにいたら、お前の事忘れられない…こうやって連絡来れば、会っちゃうしさ……あんなに悩んでやっと決めたのに…前に進まなきゃ…って。」




「忘れなくていいじゃん!なんで忘れるの?会いたいって言ったら会ってよぉ…会いにきてって言ったら会いにきてよ…独りにしないで…どこにも行かないでよ……」




涙が止まらない。呼吸の仕方もわからなくて…
子どもが泣き叫ぶみたいに…
次から次へと流れ落ちてく涙。

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