°°ワガママの果て°°
「お前、泣くから言いたくなかったんだよ…。もぉ……」



「やだ……」


そう言って悟くんを見つめた。




「あ~もぉっ………
友達にも言っちゃったし、向こうでバイトも決まってんだよ…」




「独りにしないで……お願い…行かないで…」




泣きながら繰り返す
"行かないで"
ワガママだってわかっていた。でも抑えきれない感情が悟くんを困らせる。





冷静に考える事ができたら…
自分の立場を理解して考えられたら…そしたらすごく大人な意見が言えたかもしれない…
"行ってらっしゃい"
そう言って背中を押せたかもしれない。


でもわたしには無理だった。



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