°°ワガママの果て°°
こういう訳のわからない質問を真剣に聞いてくるから思わず笑ってしまう。


「知らねぇよ!そんな自然の事なんて俺にわかるわけないだろ?」



「う~ん…だよねっ!」



アイツはそう言って首を傾げながら、強くなる雨粒を見つめて考え始めた。



たった一瞬の沈黙は雨の音を大きくした。





「わかったぁぁ♡」


嬉しそうに俺を見て再び腕を掴んできた。


「なんだよ?」


「わたしの…悟くんへの愛が熱すぎて雪が雨に変わったんだよぉ♡」




思わず照れて吹き出したのは言うまでもないけど、俺は言ってやった。




「それは絶対にない」

< 110 / 160 >

この作品をシェア

pagetop