°°ワガママの果て°°
強く抱きしめれば抱きしめる程
俺の心はアイツを離したくなくなる。



決められた未来なんてないから
傷つかない為の一線を引きたくて、
でも…もう遅いのかもしれない。


気がつけばこんなにも俺の全てになっていた。







「ねぇ悟くんこっち来て!」


また急に俺の腕から抜け出して、
俺の手を引っぱるから


”今度はなんだよ忙しい女だな”って…
またアイツのペースに流されて
連れて行かれたのは屋根のない場所。




「お前バカじゃねぇの!濡れるし寒いから!」



「お互いを想う熱が雪を溶かして雨に変わったんだから、この雨は2人の愛ってことでしょ?なら浴びようよっ♡」





完全に呆れる俺に見向きもせず
両手を広げて空を見上げるアイツは、
恥ずかしげもなく愛を語るような…
そんな女なんだ。




さっきまであんなに泣きじゃくっていたのが嘘みたいに雨に打たれて笑うアイツのココロ模様は俺にも予測不能だけど、”アイツだからこれでいい。”
そう思える。




「悟くん!わたし今日から雨が大好きになったよっ♡」


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