°°ワガママの果て°°
いずれはこの街を出て…


そんな漠然とした計画がある。



ただ……
踏み出せない理由が1つだけ……





「さーとーるーくーん♡♡」



いつもの一本道の向こう側
大きく手を振りピョンピョン跳ねながら叫ぶアイツ。


よっぽど雪が嬉しいのか
ものすごくテンションが高い。





はやる気持ちを抑えて
俺はペースを変えずいつも通り歩きアイツの元へ向かった。






「だからさ、お前声デカイって」

アイツの頭にポンと手をおいた。


照れてうつむく笑顔に
またココロが大きく動いた。







雪が2人を包むように
そっと降り続いている。
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