°°ワガママの果て°°

「心配ばかりかけるのもいい加減にしろ！ちゃんとしろ、この家の娘として恥ずかしくないように生きなさい！何度も何度も言っているのに全然わからないみたいだな！」





父の言葉は止まらない。
わたしはなぜ父がそんなに世間体ばかり気にするのかわからなかった。
昔からずっと見てきた…
世間体ばかり気にする両親の言動を。




「父さんは明日から出張へ行く。
母さんは園夏に任せるからな…
ちょっとでも入院が長引いてみろ…
そしたら園夏のせいだからな！
毎日看病してお父さんに連絡しなさい。どういう意味かわかるな？」




「はい…。」





それは悟くんに会えなくなるという事。
またそんな日々が訪れてしまった。




「あとな、近所の人に母さんの事聞かれたら不注意で階段から落ちて入院している事にしなさい。聞かれない場合は余計な事を言う必要はない。
誰にも本当の事を言うんじゃないぞ…体が弱いなんて知られたら恥ずかしいだろ！まったく…」




「はい…。」