°°ワガママの果て°°
いつも通りの1人の朝なのに
いつもの何倍も感じる孤独感がアイツの存在のデカさを表している。



重い目をこじ開けて最初にすることは
メールのチェック。



受信ボックス0件
新着メールはありません


の文字が携帯電話を握る手の力さえ奪っていく。






理由も聞けずに”わかった”とだけ返した事を少し後悔している。
でも、アイツの中ではもう終わった出来事で…きっと俺の存在が重かったんだ。


付き合っていたわけじゃないから
何も言えないし、約束のない関係なんて所詮こんな呆気ないものなんだろう…




無理矢理冷めた振りをして
感情を殺すことだけが
パックリ開いてしまった心の傷の痛みを誤魔化せる気がした。





「仕事か……」

ボソっとため息まじりに出た声。
虚しさを寂しさを消したくていつもより早く現場に向かった。

< 75 / 160 >

この作品をシェア

pagetop