°°ワガママの果て°°
それでもそんな先輩の言葉は呆気なく心の隅に追いやられてしまう。



休憩が終わった数分後にはもうアイツからの連絡を待っている俺がいる…。



休憩中も昼休みも仕事が終わった瞬間も…
帰ってからも寝る前も起きた瞬間も…
暇さえあればメールのチェックをして
取り憑かれたように携帯電話を気にしている。





新着メールはありません。





見飽きた文字にため息を吐く毎日が1日2日…5日10日……20日と過ぎていった。






誤魔化すように仲間と遊び歩いても
1人になれば決まって襲ってくる喪失感が俺を弱くする。





忘れよう…割り切ろう。


”前を向いた方がいい”


心の隅に置いた先輩の言葉が今また蘇ってきた。



まだまだ冬は終わらない。
雪が降ったこの夜…アイツは俺を少しでも思い出しただろうか。

< 79 / 160 >

この作品をシェア

pagetop