°°ワガママの果て°°
夢…
そんなキレイな響きに重ねただけの逃げなのかもしれない。





物心ついた頃から心の中で思っていた。
大きくなったら”ここを出たい”。
”ここから離れたい”と…






高校を卒業して県外へ行った知り合いの話を聞いたりすると一段と都会への憧れは強くなっていった。
居場所を探して生きてきた俺にとって
そこへ行けば何か見つかるのではないかと…漠然とした希望を抱いている。






「悟!向こう行く前に一回飯食いに行こうな!」



「はい!」






ここにいるのだって悪くない。
でもここにいたらアイツを忘れられない。
それに親の要求もエスカレートする一方だ…。





決意は固かった。

もちろんアイツには言わずに行く。

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