°°ワガママの果て°°
親に認めてほしい。
その一心だったけどそれは簡単なことではなくて…どんなに必死に看病しても父は相変わらずで。
心無い一言に涙を流した日もあった。



その度瞳の奥に浮かび上がったのは悟くんの笑顔。
この2ヶ月の間何度も何度も
送りそうになった”会いたい…”のメッセージは送信ボタンに手を近づけてはクリアボタンで消して、
また”会いたい”と入力しては消して…の繰り返し。





ここで送ったらまた同じ繰り返しになってしまう。
これ以上繰り返してはいけない。
悟くんの傷を深くしてはいけない…
強くならなきゃ。と言い聞かせて乗り越えてきた。
この先もきっとこんな葛藤をするだろうし、悟くんへの想いが消える日なんてこないけど…
今回の決意はこれまでにないほど固くて
”わたしは強くなれたんだ”




なんて…そんな風に思っていた…
それなのに…





わたしの見せかけの強さは果てしなくもろくて…
弱さにかわる瞬間求めるのは、
いつだってその愛で。
甘えられる唯一の場所はそこで…





この夜また思い知る事になる。
わたしの弱さを……
見えなかった真実を。
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