°°ワガママの果て°°
真っ赤になったタバコの先を見つめながらフーっと大きく煙を吐きだす。



ソワソワした気持ちが紛れる事はないまま、すぐ灰皿に火をもみ消した。




どうせ何をしたってメールが気になるんだ。
とりあえず内容だけでも…
重い気持ちのまま
一旦置いた携帯電話を手にとって
意を決してメールを開いた。





内容は予想通り…
だからこそ、
わかっていたからこそ見たくなかった。





”なんなんだよ……まじで…なんなんだよアイツは…ごめん。じゃねぇよ…”





何に対しての怒りなのかはわからない。アイツになのか、俺自身になのか。





こんな風になるなら拒否設定しておけば良かった…
なんてもう後の祭りだ。



”悟!前を向いた方がいい”

恭平先輩の声が…

”なら来月、待ってるから”

ダチの声が…心の中響いている。




アイツからのメールが受信されてたったの3分…狂ったようにアタフタしていた俺。
一回大きく深呼吸をして携帯画面を見つめた。






この連絡先1件を
拒否登録しますか?


------西里園夏------




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