怨ーline
転校生・由衣side
 高校に転校生が来た。
切れ長の目に爽やかそうな笑顔のイケメンだ。


でも彼の目は彼女に向けられていた。
その時から目障りな存在になったんだ。
イヤ、出会った頃から気にくわなかったかったけどね。




 盗んだ携帯にメルアドをクラスメートと私の分を入れ手当たり次第に怨ーlineに引きずり込んだんだ。


――このグループに参加しないと一週間以内に死にます――

私はその時、その転校生を恋人にすることばかり考えていた。
他の誰にも取られたくなかったのだ。




 授業中スマホが鳴っている。
私の手元にあった彼女のも鳴り出した。
それは拝読にさせて、シカトしたかのように見せ掛ける私の作戦だった。


――メール見た?――

早速そのグループアプリにアクセスがあった。


――怨ーline?――

そう打つとすぐに反応が返ってきた。


――シカトしている娘もいるね――
と――。


――あっ、そうなの?――

彼女のことだ。
だって私が二人分のスマホを操作しているのだから……





 彼女は母親同様に無用心なんだよ。
本当に大バカもんなんだよね。
何も知らずにノートを取っているなんて……



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