怨ーline
怨ーline・由衣side
 授業中だと言うのに、スマホがピコピコ鳴っている。
ヤバいと思いつつ、そっと取り出してみた。


(なんだlineか)

先生の目を盗んで軽くタッチする。
その途端にフリーズした。


――このグループに参加しないと一週間以内に死にます――

おぞましい書き込みが指の下で私を待っていたからだった。


それは怨ーlineと言う、閉鎖したはずのグループアプリだった。


(嘘だ。これを扱える携帯はもうないはずだ)
私は一瞬の内に恐怖に襲われた。




 怨ーline。
それは一人の女生徒をドン底に落とし、この学校に居られなくするための虐めサイトだった。


私は其処の陰のリーダーだった。
無論誰もその事実に気付いてもいないはずなのだ。




 何故怨ーlineを使って彼女を追い込むことにしたのか?
勿論男に決まってる。


私好みの顔をした転校生が彼女に気があるらしいんだ。


頭に来たから……
仲間を集めた訳だよ。


皆もその男性のことが気になってたみたい。
今時流行りの、切れ長の塩顔だったんだ。


だから本当のことは隠して……
lineによる書き込みが始まったのさ。




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