「異世界ファンタジーで15+1のお題」四
「そこに番人が何人いるとか、もう少し情報がわかれば良いのにね。」

「そうだな……
……そうだ、キルシュ!
食事は部下が二人で取りに来るって言ったよな?
それはどんな料理なんだ?」

「料理っていうより、パンや果物やスープを鍋ごとと…そうだ!
まともな料理がいつも別に何人か分かあったよ!
それに毎晩ワインがあった。
あれは国王や側近のためだと思ってたけど、もしかしたら…」

セスは返事の代わりに大きく頷いた。



「多分、それは番人のための食事だと思う。
キルシュ…そこに、そうだな…眠り薬のようなものを入れられないか?」

「眠り薬か…
……そうだ!ジェシーさんがあれ以来よく眠れないらしくって、最近は眠り薬を飲んでるって言ってた。
僕、ジェシーさんの部屋から眠り薬を探してみるよ。
それは大丈夫だと思うんだけど、問題は料理に近付けるかどうかだね。」

「キルシュ、それで、まともな料理は何人分くらいあったんだ?」

ライアンが図面を描きながら尋ねた。



「だから、はっきりとはわからないんだけど…確か…三~四人分だったと思うよ。
うん、そのくらいだ。間違いないよ。」

キルシュは目を閉じ、記憶の糸をたぐりながらそう答える。



「じゃあ、番人はせいぜい二人ずつだな。
国王と兵士達が同じ場所にいたとしたら四人か…ちょっときついな。」

「きつくてもなんでもやらなきゃな。
さ、出来た。
だいたい、こんな感じになってるんだ。」

「なんだ、これは…!」

ライアンの説明によると、第二の地下牢には鉄の扉が二ヶ所あり、その奥に牢が四つとさらに一番奥に拷問部屋があり、その先は水路に繋がっているという。



「拷問で死んだ奴を水路に流していると聞いたことがある…」

「なんて酷い…!」

「しかし、二重の扉っていうのはどうする?
力づくで開けると音がするだろ?」

セスの言葉に、ライアンとキルシュは顔を見合せて笑った。



「……なんだよ。
俺、なにかおかしいこと言ったか?」

「セス…あんた、聞いてないのか?
ライアンは鍵師なんだぜ。
しかも、特別腕の良い、な…」

「鍵師……?」

それを聞いて、セスはようやく自分が牢の外へ簡単に出られた理由を理解した。
< 20 / 91 >

この作品をシェア

pagetop