恋愛中!!!
イチ 本気で好き
街に出ればふたりきりで楽しいんだろうなって思って言ってみた
研究なんてのは口実で、実際はデートしたかった
俺といればこんなに楽しいよ!
俺といれば楽しいことだらけ!
って分からせたかった
でも、よくよく考えてみればそんなのも意味ないんだよな
アキが作った条件がすっごい邪魔する
街に出てナンパスポットの時計台の前で座り込んだ
「ほんとだ!カッコイイ人ばっかりだね」
目の前ではしゃぐ佐野は本当に可愛い
「ナンパスポットだからね」
「でも、ナンパはいいや
そういうのって遊ばれてる感じするし」
「佐野はどんな恋とか恋愛がしたいんだっけ?」
俺には真剣な恋愛ってのがわからない
だいたいそんな真剣に人を好きになることなんてない俺に想像できるわけないもん
「恋も恋愛も、その時が幸せだって思えるのがいいな
ツライのは嫌だなぁ…」
「ツライ?」
「私が本気でも相手は遊びだったってわかったらツライじゃん!」
こうやって話してるときでさえなんかツラそうな顔をする佐野
「そっか…」
「陣内くんは?」