恋愛中!!!
思ったことを、俺は気付かないうちに佐野に聞いていた

佐野は案外すぐに答えた

「知りたくないかな」


知りたくない…のか…
まぁ、アイツも5股もしてるんやし…それなりにバレんようにやるかな…

それにもしバレたら…
もし分かって佐野が泣いたら



「泣きたくなったら電話して良いよ」



全部俺が包み込んであげればいい
辛いこと忘れさせてあげれるくらい楽しいことを佐野に俺が与えればいい
そしたら、佐野も俺のこと少しは見てくれるかもしれん
イヤ、そういうのは今ははぶいて
とにかく、泣きたいときに泣ける場所を作るのは友達としてするべきやろ…



佐野が帰って行った教室
窓から見えたオレンジ色の夕陽


「青春だな~」



歯を食いしばってみる
そしたら喉の奥が痛くて
でも、胸の痛みのほうが強かった


俺だったらこんな思いさせんのに


そう思った...けど、過去の自分は女にそんなこと平気でしてた

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