先輩とアタシ
沈黙が続いた。
破ったのは、先輩。
「小夜はさ、好きな人とか居ないの?」
『えっ‥居ますよ。』
先輩の肩に乗っけた手が、やばいくらいに熱くなった。
先輩にドキドキ伝わったらどうしよう‥。
先輩ですよ?
アタシの体が素直に訴えてる。
良かった先輩が、自転車を漕いでいて。
アタシの顔は、先輩が大好きだーって、訴えてるに違いないから。
「ふーん。てか道あってる?」
あっけなく返事をされた。
『あってます。』
やっぱし、アタシなんて眼中に無いんだね。
分かってたのに。
だから好きにならないようにしたのに。
先輩が悪いんだよ?
格好いいから。
優しいから。
胸が苦しい。
涙が出そう‥‥‥
「あーあ‥‥!お前がオレの彼女だったらな?幸せだっただろうなオレ。」
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