先輩とアタシ



『ぎゃっ‥!熱いッ!』


「バカー‥あんたやっぱり料理は無理かもね‥?」



フライパンで火傷をしたアタシを呆れた目で尋佳が見た。



『うぅ‥‥』


昨日から作ってるけど、まるでダメ‥‥。


指は切っちゃうし、せっかく盛り付けたカレーにお湯かけちゃったし‥‥‥。


調理は、ほぼ尋佳担当。


「ほら!手出して。」


蛇口をひねって、尋佳が水を出してくれた。



『‥‥ありがと‥。』



「危なっかしいんだから。まあ小夜は、料理出来なくてもオッケーかもね?」



『なんで?』


女の子が料理出来ないってダメだよね‥‥?



「だってお兄ちゃん料理すごく上手だもん。」



『そうなの?!』



先輩って料理まで出来ちゃうの?!


すごい‥さすが先輩!



「うん。ほら、うちのお父さん一応調理師だからさ?なんか、遺伝したみたい。」



『そっか‥‥。』


なるほど。



蛇口を閉めて、指を冷やすのを止める。



先輩何でも出来ちゃうんだね。



でもさ‥結婚とかしちゃったらさ‥///?



アタシ料理出来なかったら、困るよね‥?



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