先輩とアタシ


「やっべぇ‥‥緊張する‥。」


めったに見ない先輩の焦った顔。


『ふふっ。』


思わず笑ったアタシに先輩は、


「笑うなよぉ‥。」


と、やっぱり弱気な返事。


先輩が挨拶をしにリビングに入ると、親戚達が盛り上がっていた。


「おっ!君が大輔くんかぁ!」


もう完全に酔っ払ったお父さんが、先輩を見て嬉しそうに声を上げた。


「ど、どうも、初めまして。おじゃまさせていただいてます。」


先輩緊張しすぎ!


笑っちゃうくらいガチガチの先輩。


親戚達までが、冷やかしてくる。


「ゆっくりしていきなさい!」


お父さんは、そう先輩に言った。


.
< 385 / 405 >

この作品をシェア

pagetop