先輩とアタシ


「あぁ‥‥緊張した‥。」


アタシの部屋に入るやいなや、先輩はベッドに倒れ込んだ。


『先輩緊張しすぎ。つい笑ちゃった。』


ベッドの隅に座った。


「ばぁか‥。でもお父さん優しい人で良かった‥。」


起き上がってアタシの隣に先輩も座った。


『ふふっ。弱気な先輩って珍しいね。』


いつも、しっかり者の先輩の困った顔は、またアタシの心をときめかせる。


「誰が弱気だって?」


アタシの顎を持ち上げて、顔を覗き込む先輩。


『えっ‥‥と///』


一気に顔が熱くなる。


「ねぇ‥弱気なのは誰?」


キス寸前まで近づいて、先輩の吐息が、唇にかかる。


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