先輩とアタシ


いきなり誰かに声をかけられて、振り向いてみると知らない男の人。

胸ポケットに花が入ってるから、3年生ってことは分かる。

誰、この人‥?
知り合いだっけ?
アタシが忘れてる人なのかな?

しばらく固まるアタシに、

「いきなりごめん!俺、佐々木光【ササキ コウ】ってんだけどさぁ、ちょっと来てよ?」

そう言ってアタシの手を掴み、歩き出す。

『えっ、ちょっ、あっあの‥?!』


アタシの訴える声なんて聞きもせずに、歩き続ける。

何‥?
誰なの?名前聞いたけど知らないし。
恐いよっ‥‥‥‥。
先輩助けてっ!

歩かないように足を踏ん張るけど、引っ張る近くの方が強い。

光と言ったこの人は、背が高く髪の毛も、染めてるみたいで、少し恐い感じの人。

立ち止まったところは、バスケ部の部室らしい。

ユニホームやボールがある。
誰も他には居ないみたい。
一体何なんだろう‥‥‥?

不安で泣きそうになるアタシ。


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