シャボンの中の天使
「早く公園行きたい!」
寝室の扉を後ろ手で閉めて、ため息をつく。
立っている力さえ、身体から抜け、ズルズルとその場に座り込む。
「葉菜……直哉……」
わたしは、愛する夫と娘の名前を呼んだ。
3年経った今でも、ふたりの名前を呼ぶと、後悔に胸が痛みます。
抱え込んだわたしの脚には、自分の鼓動が響く。
わたしは、生きている。
分かっているから、辛い。