シャボンの中の天使
「こないだ先生が読んでくれた本でね。女の子が死んじゃったんだ。
ねぇママ。“死ぬ”って何?」
「お空のお星さまになることじゃないかな?」
「違うよ。だって、じいじがお空のお星さまは、宇宙でどかーんって、爆発して、ゴミとかが集まってできるって言ってたもん」
ちらり、と父を見る。
いつのまに、父は星の誕生をたった三才の孫に語っていたのだ。
「だから、死んじゃったひとがお星さまになるなんて、絶対うそ!」