シャボンの中の天使
「みんなここにいたんだね?」
「望なにするの?」
笑顔の望に連れていかれたのは庭先。
「ママ!目つむってて!」
「はいはい」
言われた通りに目を瞑る。
朝から望に命令されたばかりな気がするけど、まぁわたしの誕生日を祝ってくれたし、大目に見てあげよう。
「ママ!まだだよ!」
目を閉じているから、望が何をしているかわからない。
風が吹いて、わたしの頬を撫でる。
すぐそばで、力一杯息を吐く音がした。
フーッって。
この音、知ってる。
「ママ!目をあけて!空見て」
少しのためらいがあったが、ゆっくりと目を開ける。
「あ……」